ヤマユリ[ゆり科ユリ属]
 かつて、人々の暮らしと自然との距離が近かった頃の里山は、たきぎや木炭、肥料のための落ち葉などの大切な資源でした。

 また、茅葺き屋根のために『かや山』もありました。お寺の裏山もそうで、この季節、伸び始めたカヤの中に点々とヤマユリが咲き、花の香りが漂いました。
 今、電話一本で配達してくれる化石燃料と化成肥料(田んぼや畑に配達してくれます)や、葺き替えの手間要らずの瓦屋根になって野生のヤマユリは殆ど絶滅しました。
 写真は、辛うじて生き残っている下立松原神社の境内のヤマユリです。

 洋酒のコマーシャルではありませんが、“何も足さない。何も引かない”このままで、園芸品種を凌ぐ美しさと、たおやかさを備えています。

           03/06/14白浜町

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